資金繰りに困ったときになにからはじめればいいのか

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中小企業の支援をしていると、資金繰りが厳しい会社から相談されることがよくあります。
資金繰りが厳しいときは、何から始めるのがよいのでしょうか?

① 借入を申し込む、②借入をする前にやることがある

会社の運命がかかっているため、すぐに資金調達をしたい気持ちはよくわかります。
しかし、借入を申し込む前にやるべきことがあります。

それは、現在の財務状況を正確に把握することです。

厳しいときほど立ち止まって冷静に

資金繰りが厳しくなった時には、まず、いまある現金と預金の金額を確認します。
そして、今後の収入を予測し、支払いについてもリストアップして具体的に把握します。
借入がある場合は、借入金や返済についても確認します。

具体的には、①現預金残高の確認、②売上や収入を予測する、③毎月の支払額をリストアップする、④借入金の返済予定表をすべて手元に用意します。
必要に応じて、日ごと、週ごと、月ごとに、向こう数か月分(最低でも2か月分)表にまとめます。

銀行に借入の相談にいっても、収支をまとめた「資金繰り表」の提出を求められるため、事前に用意してしまいましょう。

支払いを減らせないか収支を見直す

収支と現金・預金残高の推移をまとめたら、銀行に借入を相談にいこうとなるまえに、もう一つやっておきましょう。

それは、収支と現金・預金残高の推移をまとめるときに、いろんなことに気づくと思います。
これは、絶対必要な経費ではないななど、不要な支出や、無駄なコストがかかっていないかを考えてみます。
このときには、いつもよりも限界までひねり出す感じで考えましょう。
場合によっては、これは減らしたくないというものも、覚悟を決めて減らすことを考えましょう。

また、収支の見直しの内容は、ビフォー・アフターでわかりやすくまとめ、借入の相談の際には改善策の一つとして提示して説明できるようにしておきましょう。

いよいよ金融機関に借入の相談をする

ここまでして、はじめて銀行に行くようにしましょう。
何も準備をしないで相談に行くと、資金繰りが厳しい状況ほど、断られてしまいます。
銀行には、借入、公的融資制度による資金調達ができないか相談をします。
借入ができない場合は、リスケ(借入の元金の返済を猶予してもらい、利息だけを払う)も含めて相談します。

リスケは、一定期間内に経営が立て直すことを前提としているため、必ずしも悪い選択肢ではありません。

資金繰りをきっかけに事業計画を見直してみる

資金繰りの悪化は、そもそも事業モデル自体に問題がある場合がけっこう多かったりもします。
そもそも、資金がしっかりと回り増えていくような事業に変えることができないか考えてみましょう。
たくさんの事業に手を出して経営資源が分散して効率が上がらないことになっていないか、収益性の高い事業に取り組めているか、赤字や収益性の低い事業に注力してしまっていないか。そもそも、ビジネスとして成り立っていない可能性はないかなどです。

資金繰りに困ったときのご相談は、多くの社長が、すでに銀行に相談して断られてから相談に来ます。
やみくもに動き回るのではなく、そういうときこそ落ち着いて、一つずつやるべきことを整理しながら進めていきましょう。

のびしろ経営では、資金繰りに行き詰まる前の「転ばぬ先の杖」として20人以下の中小企業を支援しています。
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(升田覚)