小さな会社だからこそ、社員全員で経営計画をつくる意味

株式会社のびしろ経営

先日、クライアントの中期経営計画づくりを支援しました。
特徴的だったのは、その計画を社員全員でつくったという点です。
しかも、参加者は全員、日々現場で収益を担っているメンバー。売上計画の設定から、達成までの行動計画までを自ら考えてもらいました。
はじめは戸惑いの表情もありました。ふだんは社長が描く「目標」を受け取って実行していたメンバーたちにとって、自分たちで目標を決める経験は初めてだったからです。
それでも、時間をかけて対話を重ねていく中で、少しずつ視野が広がっていきました。
「売上をどうつくるのか?」
「何が数字に影響を与えているのか?」
「他チームとどう連携すれば成果が最大化するのか?」
売上の構造を分解し、KPIを定め、他部署と協力する必要性に気づく。自分の業務がどのように会社全体とつながっているのかを、多面的にとらえるようになっていきました。
こうした姿を見て、改めて感じたのは——
小さな会社ほど、経営計画を社員全員でつくる意味は大きいということです。
人数が少ないからこそ、一人ひとりの影響力は大きく、誰か一人が本気になるだけでも会社の動きは大きく変わります。そして、経営計画という「会社の未来像」を共有して考えることは、社員にとって自分の役割や意義を再確認する機会にもなります。
「会社として何をするか」だけでなく、
「その中で自分がどこを担うのか」までがクリアになる。
自分の仕事が売上や成果にどうつながるのかが見えると、仕事へのモチベーションも変わってきます。
経営計画は、未来を描くツールです。
でも、それを社員全員で描くことで、未来は“みんなのもの”になります。
社長がひとりで決めた目標を追うのではなく、社員とともに描いた未来に向かって、全員で進んでいく。
小さな会社だからこそできる、力強い経営のあり方だと感じています。