小さな会社の中期経営計画②~経営戦略のフレームワークで5年後を考える~

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前回は、中期経営計画をつくることが、経営にどんな効果をもたらすかについてお話ししました。

中期経営計画は、中期で考える経営戦略を計画にしたものです。
経営戦略は、経営目的を実現するための方針・ストーリーを明確にすることです。

今回は、経営戦略を考えるときのプロセスについてお話ししたいと思います。

経営戦略を考えるときの手順は次のステップで行います。
① 目的・目標を明確にする
② 現在の会社がおかれている状況を把握する
③ 経営課題を明確にする
④ 経営課題を解決してどのように目的・目標を実現するかを明確にする
⑤ 経営戦略としてストーリーにまとめる

実現したい目的や・目標を明確にする

経営戦略は、なにかを実現するための作戦のようなものです。
戦略は、何かの目的を実現するために、ゴールから逆算して何をするのかについて、具体的な取り組み内容と手順を明確にします。

ですから、はじめにゴール設定をする必要があります。

会社の経営の場合、経営理念やビジョンという向かうべき方向性があり、その第一段階として何年後にどこまで実現するかという「経営目標」を設定します。

現在の会社が置かれている状況を把握する

経営目標を定めたら、現在、自分の会社が置かれている状況を把握します。

現状の把握は、自分の会社内(内部)と会社を取り巻く環境(外部)についてを対象に行います。

自分の会社内(内部)は、ヒト・モノ・カネを中心に考えます。
ヒト:社内の人材や事業の運営体制、会社としての能力
モノ:事業内容や商品・サービス
カネ:資金力や収益力

会社を取り巻く環境(外部)は世の中的な動きや、業界、市場、顧客などを考えます。
法律や規制、技術の進化など業界を取り巻く環境。
業界内の動向、競合他社について。
市場の動向、ターゲットとする顧客について、顧客ニーズの変化など。

こうした状況を把握すると、自社の実力や使える経営資源(ヒト・モノ・カネ)と、会社が置かれている環境から、どれだけのことができそうかという経営戦略や事業活動の制約が見えてきます。
特に小さな会社は、限られた経営資源の制約の中で、いかに戦うかを考える必要があります。

「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」と言う言葉もあるとおり、状況を把握して行動を起こす方が成功確率は高まります。

経営課題と解決方法を考える

把握した現在の会社が置かれている状況を踏まえて、なにが用意できれば目的を実現させることができるのかを考えます。

どんな商品やサービスを用意する必要があるのか。
どんなことをすれば、商品やサービスが売れるのかを考える。
売るための方法をどうすればいいのか。
どんな人材を採用して、どんな人材を育てることが必要なのか。
今いる人材で、どのようにマネジメントしていくべきか。
どれくらいの資金が必要なのか、どれくらいの収益が必要なのか。
現在の経営資源では足らない場合は、どれくらいのペースで、どんなステップを踏みながらやりたいことができる状態までもっていこうか。
など

どれも、現状の把握から分かってきた制約の中で考える必要があります。
よく、制約の範囲を超えて何かをしたいと考える経営者が多いですが、それでは目的は実現しないため、制約の中でいかに戦うかを考えましょう。

経営戦略は、限られた経営資源を適正に配分を考えて実行することがポイントとなります。

経営戦略としてストーリーにする

経営課題と課題を解決する方法が明確になったら、その取り組み内容と手順を明確にしましょう。

経営戦略は、事業目的を実現するために、現状を把握して課題と制約を確認し、課題を解決するために、制約の中で限られた経営資源をどのように使うかを考える。
課題解決に向けて、どのような手順で何をするのかのストーリーを明確にすることです。

のびしろ経営では、経営計画の立案の支援の中で、経営戦略を考えるお手伝いもしています。ご興味のある方は、当社のセミナーやコンサルティングを活用してみてはいかがでしょうか。