借入しなくても回る「自己資金型経営」の考え方

株式会社のびしろ経営

「もうこれ以上、借金は増やしたくない…」
「返済がきつくて、次の一手が打てない」
「できれば、自己資金だけで経営を安定させたい」
そんな経営者の声を、私たちは多く耳にしてきました。
もちろん、融資は経営の武器です。
ですが、借入に依存しすぎると、「返済のために働く会社」になってしまい、本来やりたい経営ができなくなってしまいます。
そこで、今回は、借入に依存しない「自己資金型経営」を目指す考え方と実践方法をお伝えします。
自己資金型経営とは?
「手元にあるお金の範囲内で経営を回すこと」ではありません。
本質は、「キャッシュを生み出す構造」を社内に持っている状態です。
言い換えれば、
・売上をつくるサイクルが回っている
・利益が残る設計ができている
・お金が入ってくるスピードの方が早い
このような「キャッシュ創出体質」をつくっておくことで、
いざというときの借入にも頼らずに、事業を継続できるようになります。
自己資金型経営をつくる3ステップ
①「借入ありき」の経営設計を見直す
例えば、
・設備投資ありきの売上計画
・毎年恒例のつなぎ融資
・「今期も借りないと回らない」という前提
こうした発想を見直すことで、
まず「借入しないとできない理由」が浮かび上がります。
②「お金が残る仕組み」に目を向ける
売上を上げることよりも、利益を出し、それを残すことの方が重要です。
以下の視点がポイントです。
・高利益商品に集中する
・リピートされやすい商品構成にする
・固定費の見直し(特に人件費と家賃)
・粗利益目標・利益目標からの「逆算経営」
③「資金サイクル」を改善する
利益が出ていても、お金が足りなくなる理由の多くは、
「入金と支払い」のズレです。
改善するには、
・前払い・月払いの導入(入金を早める)
・買掛金・外注費の支払いサイト調整(出金を遅らせる)
・在庫回転率の改善(お金の寝かしている状態を減らす)
結果、資金が社内でスムーズに回り、外部資金に頼らず経営ができるようになります。
のびしろ経営の支援事例
F社では、毎年、仕入や人の先行投資をするために借入をしていました
利益が出ているのに、現金が残らず、借入は年々増加
そこで、
・「借入ゼロ前提」の5か年事業計画を策定
・商品ラインナップを「高粗利」に見直し
・仕入れを増やしても、本業で現金が増えるように
・粗利益率や、資金繰り表を作成し、毎月チェックする体制に
結果、3年で借入依存から脱却し、年間利益から内部留保できる体質に改善しました。
自立する経営は、社長を自由にする
借入を否定する必要はありません。
でも、借入に依存しないと成り立たない状態から脱却することが、自由で強い経営を実現する第一歩です。
のびしろ経営では、「借入前提からの脱却」に向けて、利益構造の見直し、資金設計、キャッシュフロー経営の支援まで伴走しています。