その値下げ、本当に必要?利益を守る ”価格戦略” の考え方

株式会社のびしろ経営

「他社よりもちょっと安くすれば契約が取れるはず」
「お客さんの予算に合わせて”値下げ”した」
そんな場当たり的な「値引き営業」をしていませんか?
確かに、価格はお客様の意思決定に大きな影響を与えます。
ですが、「値下げは会社の利益を直撃する ”最後の手段”」です。
今回は、安易な値下げに走らず、利益を守りながら選ばれるための価格戦略を考えていきます。
値下げがもたらす3つの「見えないコスト」
①粗利が一気に削られる
たとえば、利益率が20%の商品を10%値下げすると、利益は半減します。
値引き1万円のつもりが、5万円分の売上をムダにしたのと同じ。
②値段で来たお客さんは、値段で去る
「安さ」で選ばれた顧客は、「もっと安い会社」が現れた瞬間に離れます。
価格競争に巻き込まれ、疲弊するだけです。
③社員の士気が下がる
せっかく丁寧に提案しても、最後に値引きでしか決まらないと、現場は「売りがい」を失います。
値下げの前に考えるべき「3つの問い」
1.この値引きは誰のため?
→ 顧客のため?会社の都合?それとも、営業担当の自信のなさ?
2.何を削ってこの価格にしているのか?
→ 品質?対応スピード?アフターサービス?
「安くする」とは、「何かを省く」ことでもあります。
3.この価格で、ちゃんと利益が出るのか?
→ たとえ契約が取れても、利益が残らなければ、意味がありません。
利益を守る価格戦略3つ
戦略1:「価値ベース」で価格を決める
単に原価+利益で価格を設定するのではなく、「顧客が得られる価値」から価格を決める視点が必要です。
例えば
・時間が短縮できる
・安心して任せられる
・社内でやるより成果が出る
こうした価値を伝えることで、「値段以上の納得」が生まれます。
戦略2:「選べる価格帯」を用意する
1つの価格だけを提示すると、「高いか安いか」の二択になります。
そこで、Aプラン(標準)/Bプラン(簡易)/Cプラン(プレミアム)のように、選択肢を出すと比較の軸が「価格」から「内容」に移ります。
→ 値引きではなく、「提案の幅」で対応する方法です。
戦略3:「値段以上の印象」をつくる
価格だけでなく、次のような要素で「満足度」を高められます。
・提案書が分かりやすい
・対応が早い・丁寧
・サポート体制が整っている
お客様は、「安心」や「信頼」にもお金を払ってくれます。
つまり、「高くても納得」してもらえるのです。
値下げより、「価値を上げる」選択を
「どうすれば安くできるか?」ではなく、
「どうすればこの価格でも選ばれるか?」を考える。
それが、利益を守りながらお客様に選ばれる、強い価格戦略です。
のびしろ経営では、価格設計・提案力強化・利益体質への転換を支援しています。
値引きに頼らない経営、はじめてみませんか?