小さな会社の中期経営計画の心得④~会社の成長に必要なこと3つ~

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株式会社のびしろ経営

前回までは、経営を考える上で大事なことをお話ししてきました。
今回は、会社が成長するために必要なことについてお話しします。

中期経営計画を立案するときに、会社を成長させるために必要なこととして、次の3つがあります。
① 現状の把握
② 価値観の共有
③ 魅力的なビジョン

理由は3つあります。
まず、現状と魅力的なビジョン(なりたい姿)があるから、そのギャップを認識することができ、ギャップをどのように埋めていこうかと考えることができるためです。
次に、魅力的な将来でなければ、それに向かって頑張りたいと思えないからです。
そして、価値観などを共有しないと足並みをそろえて仲間として戦っていくことはできないからです。

現状の把握

現状を正しく把握することは、計画を考えるときに不可欠なことです。
事業目的を実現するための打ち手は、現状と望ましい状態とのギャップを埋めるための方法です。
現状とビジョンがセットでなければ、正しい打ち手を考える材料がないため、よい打ち手を考えることができません。
ですから、自社が現在どのような状況なのかを正しく把握した上で、将来ビジョンを明確にして、戦略や戦術、経営計画を考える必要があります。

また、多くの経営者に愛読されている「孫子の兵法書」に『敵を知り、己を知れば百戦危うからず』という言葉があります。
競合他社や会社の外に目を向けて研究することは大事なことですが、自社の現状を知り、自社の現状に合った戦略を考えることが、経営という戦いをする上で重要です。

現状の把握は2つの観点で点検し、自社の状況を確認しましょう。
一つは、事業内容や商品・サービス、組織風土や人材などの定性的な観点。
もう一つは、財務状態や収益状況などの定量的な観点です。

価値観の共有

その会社が事業目的を実現するために、どのような価値観でものごとを考え、判断し、行動していくべきかをメンバーで共有するために、経営者の頭の中を言語化してメンバーの誰もが見える状態をつくることが大事です。
価値観を、いつ誰がみても同じものにしないと、足並みをそろえてチーム一体となって事業活動を行うことができないからです。

多くの会社で、この価値観が社長の頭の中にだけあり、メンバーに共有されていない状態となっています。
メンバーが少ないときに、社長とメンバーのコミュニケーションがとりやすい環境では、価値観が共有されていることはありますが、メンバーが増えてくるとだんだん難しくなります。

また、会話だけで伝えている場合に、毎回微妙なニュアンスのズレが生じて、一貫性を保つことが難しい場合があります。

ですから、一貫性を持って、価値観を正確に共有するためには、言語化して共有することが望ましいです。

魅力的なビジョン

経営者は、メンバーに対して明るい未来を示す必要があります。
メンバーにとって、今やっている仕事がどんな未来につながるのか。今、一生懸命働いた結果、自分たちの働く会社がより良くなり、明るい未来につながることを感じさせる必要があります。

希望があるからこそ、日々の大変な業務に一生懸命取り組める。ポジティブな働き方ができるようにお膳立てするようにしましょう。

4回にわたって、中期経営計画をつくるときの心得についてお話してきました。


経営は、事業目的の実現に向けて、大きなPDCAを何年にもわたって取り組むことに他なりません。
中期経営計画は、いわば5年間に期間を区切ったサイズのPDCAの「P」をつくる取り組みとなるため、非常に重要なものになります。
会社にとって非常に影響の大きな経営ツールであるため、20人以下の中小企業や、一人社長や数人の会社であっても、ぜひ中期経営計画に挑戦してみてほしいと考えます。
また、よりよい中期経営計画をつくり、事業目的の実現に確実な一歩を踏み出してほしいと思います。

のびしろ経営では、経営計画の立案と、計画の進捗確認を主な支援サービスとして提供しています。ご興味のある方は、当社のセミナーやコンサルティングをご活用ください。