小さな会社の中期経営計画の心得②~利益と再投資~

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前回、経営には事業目的と収益を上げることが必要というお話をしました。
収益を追求しなければいけない理由は、事業目的を実現していくための再投資をしていく必要があるからです。

中期経営計画を立案するときに、事業目的を達成するために、獲得した収益をどのように再投資していくかはとても重要です。

今回は、獲得した利益をどのように再投資していくかについてお話しします。

利益の再投資先は5つあります。
① 社会(税金):税金を払うとお金が貯まります
② 企業(内部留保):お金があれば潰れません
③ 顧客(価値):顧客への提供価値をたかめれば儲かります
④ 社員(報酬):社員力が高まれば強い会社にります
⑤ 株主(配当):株主の気持ちに応える

利益の社会(税金)と企業(内部留保)への再投資

税金を納めることと、企業の内部留保はとても関係が深いです。
会社の中に、将来に向けた資金を残すという意味でとても重要なのが納税です。
実を言うと、税金を支払った方が会社にお金が残りやすいです。

経営者の中には、税金を納めることに抵抗を感じる方も多いことでしょう。
節税をしたくなる気持ちも出てきてしまいます。

税金は利益額に税率の何パーセントを掛け算して計算され、納めることになります。

「税金の額=利益×税率」

節税をする場合、利益額を減らすために経費を無理やりつくります。
デスクや備品を購入したり、保険商品を購入したり・・・
こうして節税のために経費を使うと、その分だけお金が会社の外に出ていってしまいます。

一方で、我慢して税金を支払うと、税金分はお金が会社の外に出ていってしまいますが、残りの大半が会社の中に残ります。
これが、内部留保となって会社に資金が積み上がっていきます。

会社にお金を残して、将来の事業活動に投資する意味でも納税する方がメリットは大きそうですね。
また、社会の一員として税金を納める義務があり、納税自体に立派な社会貢献の要素があります。

顧客(価値提供)に対する再投資

会社が提供する価値が高ければ高いほど、商品やサービスを買ってくれる顧客が増えます。
価値提供を高めるために、商品やサービスの開発や改善に再投資していくことはとても重要です。
商品力や、顧客の利便性向上、新たな取り組みなどへの再投資を考えましょう。

社員に対する還元と再投資

人材の確保が難しい時代になりました。経営にとって、人材投資は非常に重要になってきています。
会社の人に対するお金の使い方は、働く社員にとても大きな影響を及ぼします。
良い人材を確保するための採用活動への投資
社員が人生設計を考えるときに見通しが立つような給与還元のあり方
社員が活躍できるようにするための人材教育への投資
生産性が上がるように働く環境を整えるための職場環境投資

事業目的に向けて、戦略や戦術を実行するのは社員です。
社員の力を引き出して、しっかりと仕事に取り組んでもらい、成果をだせるようにするための投資をしっかりとするようにしましょう。

株主への還元

一般的に中小企業は配当を出さないことが多いです。
ただし、VCなどから投資を受けている場合は、配当を出すことが必要となります。
継続して応援してもらうために、場合によっては株主の期待に応えることも大事です。

今回は、中期経営計画で考える利益の再投資のあり方についてお話ししました。
事業目的を実現するために、お金の使い方もしっかりと考えたいものです。

のびしろ経営では、経営計画の立案と、計画の進捗確認を主な支援サービスとして提供しています。ご興味のある方は、当社のセミナーやコンサルティングをご活用ください。