中小企業が最低賃金上昇に対応するために
株式会社のびしろ経営
先週、最低賃金審議会で地域別最低賃金改定の目安がまとめられ、この秋から最低賃金が50円程度上がることになりましたね。
会社経営、とりわけ中小企業の経営にはものすごくインパクトのある出来事です。
さらに、政府が目標としている全国の最低賃金平均1000円達成後も引き続き、引き上げる方針となっています。
今後も賃金の上昇が予想される中で、中小企業はこの負担増を賄うための収益性の向上が課題となります。
そのためには、従業員一人当たりの収益性を高めることが重要になってくると考えます。
なぜなら、人数の少ない中小企業にとって、一人ひとりの存在が大きく、一人でも収益性が低い人材がいると他の人への負担が重たくなり、健全な経営を支えることが難しくなるためです。
正社員はもちろん、パートアルバイトも含めた従業員全員の収益性を高める必要があります。
そのためには、会社に貢献できる人材の採用、従業員を成長させる教育、人材を活かして安定して成果が出せるような組織体制の構築に取り組むことが重要です。
昨日、ある会社の経営計画の策定を支援していました。
社長と幹部のほかに、パートアルバイトが何名かいる会社です。
どうやっても十分な利益を捻出するのが難しい計算になりました。
要因を分析すると、人件費負担が大きく利益を残すことが難しいという現実でした。
売上は社長と幹部の二人で、過剰労働をしながら稼ぐ限界の計画です。一方で、パートアルバイトの状況をヒアリングしていくと、会社への貢献度は低く、働き方もいまいちです。
幹部もパートアルバイトの管理をするのが相当の負担となっていて生産性が落ちています。
結局、原因はマネジメントができる人材がいないこと。マネジメント人材がいないから、パートアルバイトの教育や管理ができないため、生産性があがらない。この負のスパイラルに陥っていたのです。
その結果、社長と幹部が過剰労働を強いられ、人材の育成やマネジメントは全くできなくなっている状況となっていたのです。
この会社は、パートアルバイトの人件費(稼働日数)の見直しで捻出したお金で、正社員を雇い、1年から2年かけて教育をして、会社に貢献してくれる人材をつくることにしました。
テーマは、人材の育成と、人材が活躍して会社に貢献できる社内体制の整備です。
このように、活躍できる人材を創り出さないことには、経営自体が成り立たない時代になってきています。
従業員が活躍できる状態をつくるには、相当の時間と労力がかかります。
しかし、こうしたことに取り組むことで、収益性を高めて事業を成長させることができます。
みなさんの会社は、従業員全員が活躍することができていますか?
最低賃金が上がっても、従業員一人ひとりの生産性で乗り越えることができるように、従業員全員の収益性を高めていきましょう。
のびしろ経営では、会社に貢献できる人材の採用、従業員を成長させる教育、人材を活かして安定して成果が出せるような組織体制の構築に取り組むことも支援しています。ご興味のある方は、当社のセミナーやコンサルティングを活用してみてはいかがでしょうか。